日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボディスキャナー」の意味・わかりやすい解説
ボディスキャナー
ぼでぃすきゃなー
body scanner
ミリ波(波長1~10ミリメートル)という電波の一種を照射して衣服の中を透かし、不審物を隠し持っていないかを調べる機器。航空機テロを未然に防止するため、イギリスやオランダなどが空港に設置している。日本では国土交通省が2010年(平成22)に保安検査装置の一つとして導入を認めた。しかし身体の線や下着がくっきりと浮かび上がるため、プライバシーの侵害にあたるとの意見や健康面への影響を指摘する声もあり、日本の航空会社は導入に慎重な姿勢をとっている。
2009年末にアメリカで発生した航空機テロ未遂事件では、金属探知機では検知できない化学物質が爆弾として使用されていた。ボディスキャナーはこうした化学物質なども検知できる性能をもつ。
国土交通省は2010年夏に成田国際空港での実証実験を実施、効果的だとして空港保安検査ガイドラインを変更し、導入を認めた。ただし、導入する場合、(1)金属探知機で不審があった場合の追加検査として使う、(2)従来の接触検査とボディスキャナー検査を乗客は選択できる、(3)検査員は乗客と同性とする、(4)画像は保存せず、破棄する、などのプライバシー保護措置をとることになっている。
[編集部]