ボリビア・モラレス政権(読み)ぼりびあもられすせいけん

知恵蔵 「ボリビア・モラレス政権」の解説

ボリビア・モラレス政権

南米ボリビアで2005年12月に大統領選挙が行われ、先住民アイマラ族出身で反米左派の社会主義運動党首エボ・モラレス当選、06年1月に就任した。先住民が大統領に就任するのは同国史上初で、就任演説では「疎外され、さげすまれてきた我々の歴史を変える」と述べた。モラレスはコカ栽培農民の代表で、コカ栽培の合法化を主張し、民営化反対運動の先頭に立ってきた。政権に就任すると新自由主義反対を掲げてベネズエラが進める米州ボリバル代替構想に参加、5月には天然ガスの国有化を宣言し、農地改革にも着手した。6月には5カ年計画で経済を再建する国家開発計画を発表するなど矢継ぎ早の改革を打ち出した。7月に行われた制憲議会選挙でも、社会主義運動党が過半数議席を得た。2007年8月には大土地所有制の解体をめざす農地改革法を、同11月には無年金者に年金を支給する年金法を公布した。制憲議会は12月、外国軍基地の設置を禁止することなどを盛り込んだ新憲法草案を採択した。

(伊藤千尋 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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