法則の辞典 「ボルマン吸収」の解説 ボルマン吸収【Borrmann absorption】 きわめて欠陥の少ない単結晶にX線を照射してブラッグ反射を起こさせるとき,多重散乱の結果として結晶内には二種類のブロッホ波(透過波とブラッグ反射波)が生じる.両者の干渉の結果として,定在波が形成されるが,その強度は反射格子面に平行な極大と極小をもつ.このブロッホ波の一方は原子の位置に振幅の極大をもつから正常値の約2倍となるが,もう一方のブロッホ波は逆に原子の位置で極小となり,吸収係数は正常値の1/10以下となる.この現象をボルマン吸収という. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報