改訂新版 世界大百科事典 「ボーパール」の意味・わかりやすい解説
ボーパール
Bhopāl
インド中央部,マディヤ・プラデーシュ州の州都。人口143万7354(2001)。マールワ台地の東境部にあり,周辺からの米,綿花,木材などを集散する。紡績,電機,スポーツ用品などの近代工業のほか,宝石加工,手織綿布などの伝統工業が立地する。旧市には1728年に建設されたファテーガル城,タージュ・アルマスジドなどのモスクがある。1817年以降の英領時代には同名の藩王国の主都となり,19世紀末の鉄道開通以後発展した。同国はハイダラーバードに次ぐ有力なムスリム藩王国であったので,インド・パキスタン分離独立に際してその帰属が問題となったが,結局1956年の現州発足とともにその州都となった。1984年12月,ユニオン・カーバイド・インド社のメチルカーバメート殺虫剤の製造工場で有毒ガス流出事故が起こり,2500人以上が死亡し,10万人以上の負傷者をだした。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報