ポセッシオ(その他表記)possessio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポセッシオ」の意味・わかりやすい解説

ポセッシオ
possessio

ローマ法上の占有。ポセッシオは取得の意思をもってする客観的支配である点において,単なる所持とは異なる。公益ないしは社会的安定性の観点からの法の保護を期待できるものの,これを権利と解するには多大の困難があり,むしろ事実状態 res factiとみられている。ポセッシオの保護は占有保持,占有回復などの特示命令によって行われた。ポセッシオの最も重要な効果は,なんらかの理由により,所有権を取得しなかった占有者が,一定の期間の経過により使用取得 usucapioに基づき市民法上の所有者となることである。ゲルマン法上の占有たるゲベーレが本権の推定,権利性,二重占有の可能性などを特質とするとすれば,ポセッシオは占有訴訟,事実性,二重占有の否認を基本観念とする。

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