特示命令(読み)とくじめいれい(その他表記)interdictum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「特示命令」の意味・わかりやすい解説

特示命令
とくじめいれい
interdictum

共和制ローマにおいて,法務官またはその他の政務官 (属州では前執政官) が命令権 imperiumに基づいて,訴訟の円滑な進行や公の秩序の維持に必要もしくは適当と認められる場合に,当事者の申請により特定の状態の発生を命じたり,またすでに発生した特定の状態の妨害を禁止する一種の行政命令。訴訟の解決に際して法律関係の法律的基礎にまでさかのぼるのではなく,現在の事実状態を自由かつ迅速に保全する略式手続である。証言,証拠の取調べを必要としない。さまざまな特示命令があるが,占有訴権の原型となった占有に関するものは重要である。ユスチニアヌス帝法においては特示命令と訴権との区別は消失している。

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