ポベダ峰(英語表記)Pik Pobedy

改訂新版 世界大百科事典 「ポベダ峰」の意味・わかりやすい解説

ポベダ[峰]
Pik Pobedy

中央アジア,キルギスタン東端,中国の新疆ウイグル自治区との国境にある天山山脈中の高峰。ポベダは〈勝利〉の意。標高7435m。天山山脈の主要山脈コクシャアル・タウの東部と北から南へ走るメリディオナリヌイ山脈の接合点近くにそびえ,山肩には長大な氷河をかける。ハン・テングリ山(6995m)もこの氷河のかかる谷をへだてて北20kmに相対してそびえる。第2次世界大戦中の1943年,ソ連の陸地測量隊によって測量された際,7439mと意外な高峰であることが判明し,折から戦局が好転し始めていたので,〈勝利峰〉と命名された。その後ウイグル語でトムール山(鉄の山)と呼ばれていたことが判明,中国ではこの名を用い,標高も修正された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のポベダ峰の言及

【サハ[共和国]】より

…東シベリアの広大な部分を占め,面積は日本の8.2倍。北極海に面し,中央をレナ川が流れ,西には中央シベリア高原(平均標高500~700m),南にはスタノボイ山脈,アルダン高原(平均標高650~1000m),中央部にはレナ川の東部に沿ってベルホヤンスク山脈,さらにその東にポベダ峰(3147m)を最高峰とするチェルスキー山脈がある。国土の40%以上が北極圏に属している。…

【天山山脈】より

…アジア大陸パミール高原の北から東へ,キルギスと中国を走る山脈。全長約2500km,中国側が少し長い。南北約400kmで,ほぼ東西方向に並走する数条の山脈から成る。古生代後半に形成された褶曲山脈が準平原化し,新生代後半の断層作用で再び上昇してできた山脈で,その間にイリ河谷,トゥルファン盆地などの地溝がある。平均標高3500~5000mで東部は低い。最高峰は国境の勝利(ポベーダ)峰(7439m)。乾燥気候により山麓などでは砂漠や半砂漠がみられるが,北面は北極海の湿潤な大気の影響で,中腹以上には夏の放牧に利用される草原や森林がある。…

※「ポベダ峰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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