ポリスルホン(読み)ぽりするほん(その他表記)polysulfone

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポリスルホン」の意味・わかりやすい解説

ポリスルホン
ぽりするほん
polysulfone

主鎖にスルホニル結合(スルホン結合ともいう)-SO2-をもった重合体ポリマー)の総称。実用化されているのは芳香族ポリスルホンで、その代表例はビスフェノールAとジフェニルスルホンの重縮合体である。このポリマーはポリエーテルでもあり、塩素化溶剤、テトラヒドロフランジメチルホルムアミドには可溶。熱変形温度が高く(174℃)、高温でのクリープ特性がよい。耐熱性の要求される電気絶縁材料や寸法安定性、耐薬品性の必要な機械部品などに用いられている。また、エンジニアリング・プラスチックとして発展が期待されている。

垣内 弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「ポリスルホン」の解説

ポリスルホン
ポリスルホン
polysulfone

主鎖中にスルホン結合-SO2-を含む重合体の総称.ジチオアルコールとジブロミドとを反応させてポリチオエーテルとし,さらに酸化するか,スルホクロリド誘導体の縮重合によって得られる.例を図示する.脂肪族のものは溶融紡糸性があり,芳香族誘導体は熱可塑性樹脂となる.一般に,耐酸,耐アルカリ性,難燃性があり,広い温度範囲で使用できる特性がある.パイプ,シート,電器製品,自動車部品に使用される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のポリスルホンの言及

【ポリエーテル】より

同様に耐熱性のよい,ポリエーテルスルホン(PES),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)なども開発されている。ポリスルホンも分子内にエーテル結合を有する高分子である。【森川 正信】。…

※「ポリスルホン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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