ポリメラーゼ連鎖反応法(読み)ポリメラーゼレンサハンノウホウ

デジタル大辞泉 「ポリメラーゼ連鎖反応法」の意味・読み・例文・類語

ポリメラーゼ‐れんさはんのうほう〔‐レンサハンオウハフ〕【ポリメラーゼ連鎖反応法】

PCR法

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内科学 第10版 「ポリメラーゼ連鎖反応法」の解説

ポリメラーゼ連鎖反応法(遺伝子診断)

(1)ポリメラーゼ連鎖反応法
 PCRはFISH法と並んで遺伝子診断に欠かせない.1/105オーダーの異常を検出できるので微小残存病変の評価や治療効果の判定に用いられる.キメラmRNAあるいは過剰発現したmRNAをcDNAにしてPCR増幅する場合と,再構成の切断点の両側プライマーを設定してゲノムDNAを増幅する場合がある(図14-5-5).後者では,DNA再構成とその結果として生じたキメラ遺伝子発現を検出し,微小残存病変(MRD)の検出に用いられる.ネステッド PCRとリアルタイム PCRが一般的に用いられる方法であり,感度は,ネステッド PCRが10-6,リアルタイム PCRが10-4~10-5である.しかし,ネステッド PCRを用いると腫瘍特異的とされるキメラ遺伝子が健常人でも検出されるため,MRDの評価は慎重に行う必要がある.
 リアルタイム PCRでは,専用のプライマーを要しネステッド PCRより少し感度は低いが,定量的に寛解の深さを評価できる.リアルタイム PCRは,増幅領域に相補的なオリゴヌクレオチドの5′末端にレポーター蛍光色素をラベルしたTaqManプローブを作製する.TaqManプローブを用いると,DNAポリメラーゼの伸長反応のときに分離し,このときレポーター蛍光色素が発色する.この光をカウントすることによって,サイクルごとの反応数が同定できるのでPCR産物の定量を行うことが可能である.[谷脇雅史]
■文献
Jaffe ES, Harris NL, et al eds: World Health Organization Classification of tumors. In: Pathology and Genetics, Tumor of Hematopoietic and Lymphoid Tissues, IARC Press, Lyon, 2001.
滝 智彦,谷脇雅史:造血器腫瘍の染色体検査(遺伝子検査)(Medical Practice編集委員会編), pp566-568,文光堂,東京,2005.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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