日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポンティアック戦争」の意味・わかりやすい解説
ポンティアック戦争
ぽんてぃあっくせんそう
Pontiac's War
1763~65年、アメリカの北西部先住民諸部族が、オタワ人の首長ポンティアックの指導下に連合して、白人侵入者に抵抗した戦い。普通ポンティアックの「反乱」とか「陰謀」とよばれるが、その呼び方は適当でない。63年4月の諸部族戦争会議で彼は演説し、デラウェア人の予言者ネオリンの自立と解放の思想を引き継いで諸部族の一斉蜂起(ほうき)を呼びかけた。部族連合軍は、翌5月のデトロイト攻撃をはじめとして、7月までにデトロイト、ピット砦(とりで)およびナイアガラ砦を除くイギリス軍の七つの砦を攻略した。同年秋には弾薬も尽きて、諸部族は村落の破壊や人的犠牲を防ぐため、戦力を残して次々とイギリス軍と講和を結んだが、65年まで各地で散発的な抵抗と白人入植地への襲撃が続いた。
この戦いは「一八一二年戦争」時のテクムシの戦いまで続く北西部諸部族の自立と解放の戦いの開幕となった。
[富田虎男]