日本大百科全書(ニッポニカ) 「マイスキー」の意味・わかりやすい解説
マイスキー(Ivan Mihaylovich Mayskiy)
まいすきー
Иван Михайлович Майский/Ivan Mihaylovich Mayskiy
(1884―1975)
ソ連の外交官、歴史家。ロシア連邦のニジニー・ノブゴロド(旧ゴーリキー市)の近くで生まれる。ペテルブルグ大学在学中から革命運動に入り、メンシェビキに属した。1908年からスイス、イギリスなどに亡命。1917年の二月革命で帰国、臨時政府労働省に入り、十月革命後も一時ボルガ地方の反ボリシェビキ政権の閣僚を務めたが、その後1921年に共産党に入党した。以後、外務人民委員部で活動し、1932年から1943年まで駐英大使を務めた。さらに1943年から1946年まで外務人民委員代理を務め、ヤルタとポツダムの巨頭会談に列席した。戦後はアカデミー会員となり、著述に専念、ヨーロッパ現代史を中心に多数の著作がある。
[原 暉之]
『マイスキー著、木村晃三訳『三十年代』(1967・みすず書房)』