ポツダム(読み)ぽつだむ(英語表記)Potsdam

翻訳|Potsdam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポツダム」の意味・わかりやすい解説

ポツダム
Potsdam

ドイツ東部,ブランデンブルク州州都ベルリンの南西部に接し,ハーフェル川にまたがる。 1952~90年ポツダム県 (旧東ドイツ) の県都。第2次世界大戦の戦後処理を決めたポツダム会談の地として有名。 10世紀にスラブ人の集落として成立し,14世紀に都市権を獲得。 1640年大選帝侯フリードリヒ・ウィルヘルムのとき以来選帝侯の居地となり,フリードリヒ2世 (在位 1740~86) が王宮を建設してから特に発展した。機関車製造,機械,電気機器,繊維,食品工業などが行なわれるほか,政治,法律,映画のアカデミーなど学問の研究機関も多い。ドイツのベルサイユと呼ばれるロココ様式サンスーシ宮殿 (1745~47) ,バロック様式の新宮殿 (1763~69) をはじめ,ベルリンにいたる地域に散在する宮殿と庭園は,1990年世界遺産の文化遺産に登録。ブランデンブルク門 (1789~94) ,聖ニコラウス聖堂 (1830~37) などの歴史的建築物も多い。ポツダム会談の行なわれた北郊ツェツィリエンホーフ宮殿はその後ホテルとなった。人口 15万4606(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポツダム」の意味・わかりやすい解説

ポツダム
ぽつだむ
Potsdam

ドイツ北東部、ブランデンブルク州の州都。1949~90年は旧東ドイツに属した。ベルリンの南西端に隣接し、ハーフェル湖に面する。人口12万9300(2000)。17~18世紀にブランデンブルク選帝侯とプロイセン王の宮廷都市として発達し、18世紀なかばフリードリヒ大王の造営したロココ風のサンスーシ離宮とその庭園、イギリス風ゴシック様式のバーベルスベルク城など文化遺産が多い。

 1805年の対ナポレオン戦(アウステルリッツの戦い)の和約の締結地で、1945年の第二次世界大戦終結に関するポツダム会談は、市内のチェチリエンホーフ宮殿で行われた。工業は、食品、織物薬品、電気器具、車両などの製造が行われる。大学、天文台、地球物理観測所などがある。都心にはドームのあるニコラス教会(1830~37年、シンケルSchinkel作)などがあり、市東部にはヨーロッパのハリウッドといわれる「バーベルスベルク撮影所」がある。

[佐々木博]

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