日本大百科全書(ニッポニカ) 「マイニンゲン公劇団」の意味・わかりやすい解説
マイニンゲン公劇団
まいにんげんこうげきだん
Die Meininger
ドイツの劇団。マイニンゲン公ゲオルク2世(1826―1914)が1866年以来自ら指導にあたった宮廷劇団。俳優の名人芸とでたらめな舞台美術の横行していた当時の劇界の風潮に抗して、厳密な演出プランに従い、スターと端役という差別なく俳優を用い、群集の一人にまで配慮を配ったアンサンブル演技と、綿密な時代考証による歴史に忠実な衣装や装置によって有名になった。1874年から90年の間に、ベルリン、ロンドン、パリ、ウィーン、モスクワなど、世界各都市で二千数百回の客演を行い、大きな感銘を与えた。スタニスラフスキーもこの体験から大いに学んだ。ただしあまり考証に凝りすぎることをマイニンゲライ(風)という。
[岩淵達治]