改訂新版 世界大百科事典 「マクダネルダグラス会社」の意味・わかりやすい解説
マクダネル・ダグラス[会社]
McDonnell Douglas Corp.
アメリカを代表する軍需企業。アメリカ国防総省および陸・海・空の3軍向けに戦闘機,ミサイルなどを開発・生産する。本社ミズーリ州セント・ルイス。ベトナム戦争で使用されたF4ファントムは当社の製品。また,民間航空会社向けに大型ジェット旅客機も製造する。1939年McDonnell Aircraft Corp.としてメリーランド州に設立。66年McDonnell Co.に社名変更。67年旅客機で有名なダグラス社Douglas Aircraft Co.Inc.(1920設立)を合併して現社名となる。70年に情報処理サービスを行うMcDonnell Douglas Automation Co.を設立。現在生産中の軍用機としては,F15イーグル戦闘機,F18ホーネット戦闘機およびBritish Aerospace Co.と共同開発したAV8BハリアーII垂直離着陸攻撃機がある。このほか海軍の対艦ミサイル,ハープーン,トマホークミサイル,人工衛星打上げ用ロケットのデルタブースターも生産している。民間旅客機としては,DC9,DC10がある。またスペースシャトル計画や弾道ミサイル防衛計画にも関与している。航空・宇宙分野以外でも,McDonnell Douglas Automation Co.では広範囲の情報処理サービス業務を行い,McDonnell Douglas Electronics Co.では,民需および軍需用に通信機器,エレクトロニクス機器,光学機器を生産している。97年8月,ボーイング社に吸収・合併された。
執筆者:堀内 厚律
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報