改訂新版 世界大百科事典 「ボーイング会社」の意味・わかりやすい解説
ボーイング[会社]
Boeing Co.
アメリカにある民間ジェット航空機のトップ・メーカー。ほかに軍用機,ミサイル・宇宙機器関係,ヘリコプター,船舶などを生産する。本社ワシントン州シアトル。1934年,Boeing Airplane Co.としてデラウェア州に設立され,47年末には100%子会社のBoeing Aircraft Co.を合併。60年にはヘリコプターのバートル社Vertol Aircraft Co.を買収した。61年には現社名に変更。現在,Boeing Commercial Airplane Co.,Boeing Aerospace Co.,Boeing Vertol Co.,Boeing Wichita Co.の四つの事業会社により構成される。主要分野である民間輸送機としては,ボーイング737,747,757,767型の旅客機を生産しており,共産圏を除いて約60%のシェアをもつ。またヘリコプター(Boeing Vertol Co. が生産)やジェット推進式の水中翼船〈ジェットフォイル〉も生産している。軍用機としては,E3A空中警戒管制機やE4空中司令機などがある。ミサイル部門では,空中発射巡航ミサイル(ALCM)や大陸間弾道ミサイルの生産のほか,ローランド対空ミサイル・システムの生産および試験を行っている。宇宙部門ではタイタンやスペースシャトル用の上段ロケットなどを生産している。このほか,コンピューター・サービス部門やエネルギー・プラントの設計・建設などのエンジニアリング部門にも多角化している。97年8月,同じアメリカの航空機会社,マクダネル・ダグラス社を吸収・合併した。売上高219億ドル(1994年12月期)。
執筆者:堀内 厚律
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報