マグネトグラフ(その他表記)magnetgraph

改訂新版 世界大百科事典 「マグネトグラフ」の意味・わかりやすい解説

マグネトグラフ
magnetgraph

一般には磁場測定装置のことであるが,とくにスペクトル線ゼーマン効果で生ずる偏光量を測定して太陽磁場を求める装置solar magnetgraphをこう呼んでいる。偏光計と分光器,あるいは偏光フィルター(リヨ・フィルター)の組合せで,黒点磁場の発見以来開発が試みられてきたが,電子技術の進歩にともない,1953年ウィルソン山天文台でバブコックH.W.Babcock(1912- )によって太陽磁場測定に初めて実用化された。偏光計の偏光解析子としては電気光学効果(電圧をかけると屈折率が変化する現象)を利用した物質が使用され,現在でも改良を加えつつ主流となっている。スペクトル線としてはゼーマン効果の大きい5250Åの鉄のスペクトルがよく使われる。マグネトグラフによる太陽磁場の常時観測はアメリカのヘール天文台,キットピーク天文台で行われている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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