日本大百科全書(ニッポニカ) 「マツカサアナナス」の意味・わかりやすい解説
マツカサアナナス
まつかさあななす
[学] Acanthostachys strobilacea (Schult.f.) Klotzsch
パイナップル科(APG分類:パイナップル科)の常緑多年生着生植物で、1属1種。葉は多肉質の細い紐(ひも)状で、長さ0.7~1メートル、下部葉縁には鋸歯(きょし)状の刺(とげ)がある。花茎は長さ約20センチメートル、先端に2枚の包葉をつけ、基部に径約3センチメートルの小さなパイナップル状の花序をつける。名は、この形をマツカサに見立てたもの。包葉は橙黄(とうこう)色で長期間美しい。乾燥に強く、変わった草姿のものがあり、室内観用植物としてよく用いられる。繁殖は株分けによる。ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンのやや高地に分布し、日本へは1932年(昭和7)に導入された。
[高林成年 2019年6月18日]