マッサゲタイ(その他表記)Massagetai

改訂新版 世界大百科事典 「マッサゲタイ」の意味・わかりやすい解説

マッサゲタイ
Massagetai

中央アジアの古代民族。ラテン語ではマッサゲタエMassagetae。古代ギリシアの諸史料に登場するもので,ヘロドトスは,この民族がアケメネス朝のキュロス2世(在位,前559-前530)を敗死させ,逆にダレイオス1世(在位,前522-前486)に滅ぼされたことや,遊牧民としての習俗について語っている。しかし,彼らの居住地域や人種的帰属については,いまだに明らかにされていない。マッサゲタイを古代ペルシア語方言であるアベスター語によってmasya-ko(魚を食べる人)と解釈する説,古代ペルシア語のmasso-getaeにあてて〈大月氏〉とみる説,さらにはmassaka-taとして〈大サカ族〉とする説などが出されているが,いずれも決定的な支持を得るにはいたらず,近年では,カスピ海の東からアラル海の周辺地域に住んでいた雑多な古代民族の総称とする説も提出されている。
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関連語 高志 藤島

山川 世界史小辞典 改訂新版 「マッサゲタイ」の解説

マッサゲタイ
Massagetae

前7~前4世紀,カスピ海東北岸からアラル海東方にまで分布していた遊牧民スキタイを西走させた。ヘロドトスによれば,その女王トミュリスは前530年にアケメネス朝の王キュロス2世率いる遠征軍を破り,王を殺したというが,実質的にはペルシア側の勝利とする見方もある。

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