マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(読み)まとりっくすしえんれーざーだつりいおんかほう(その他表記)matrix assisted laser desorption ionization

知恵蔵 の解説

マトリックス支援レーザー脱離イオン化法

生体高分子一種であるたんぱく質は、レーザー光を直接、照射すると、そのレーザー光のエネルギーで分解してしまう。そこで、たんぱく質のような大きな分子を壊さずにイオン化して分子量を測定する分析法がMALDI法である。 まず、分析したいたんぱく質溶液にレーザー光を吸収する補助材として通常金属粉末を加えて、マトリックス試料を調整する。そして、その試料にレーザー光を照射すると試料に含まれている金属がレーザー光をほぼ吸収して蒸発する。その際にレーザー光のエネルギーの一部がたんぱく質の分子に吸収され、分解することなくイオン化され、マトリックスから離れて、質量分析される。このようなイオン化をソフトイオン化と呼ぶ。

(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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