マリ人(読み)マリじん(英語表記)Mari

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マリ人」の意味・わかりやすい解説

マリ人
マリじん
Mari

ロシア,ボルガ川上流地域,カザン西方および北方に居住する民族。マリは自称で,チェレミス Cheremisとも呼ばれる。ボルガ=フィン一派で,形質的特徴としては身長が高く,皮膚は浅黒く,長頭型と短頭型が混合してみられる。マリ (チェレミス) 語を話し,人口約 54万。ボルガ川右岸では山地チェレミス,左岸では草地チェレミス,ビエラヤ川流域では東部チェレミスと呼ばれる。山地および東部チェレミスは農業を営むが,草地チェレミスは狩猟漁労を行う。木工や刺繍などにすぐれている。地方集団は,集団農場を営み,農業と酪農を行なっている。 13世紀にキプチャク・ハン国によって支配され,その後ロシア帝国の支配を経て,十月革命後,マリ自治州がおかれた。今日ではマリエル共和国となっている。

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世界大百科事典(旧版)内のマリ人の言及

【ソビエト連邦】より

… ヨーロッパ・ロシア北西部から東ウラル地方,および西シベリア北部にかけてフィン・ウゴル語派に属する言語をもつ民族がいる。主要なものは西からエストニア人,カレリア人,コミ人,マリ人,モルドバ(モルドビン)人,ウドムルト人などフィン語系の民族と,西シベリアのハンティ人,マンシ人,それにネネツ人のウゴル語系の民族である。 モンゴル系の民族には,バイカル湖の近くに住むブリヤート人と,ボルガ下流に住むカルムイク人(カルミク人)がいる。…

【マリ・エル[共和国]】より

…気候は比較的穏やかな大陸性で,1月の平均気温は-13℃,7月は19℃,年降水量は450~500mm。民族構成は,マリ人43.3%,ロシア人47.5%,タタール人5.9%,その他(チュバシ人,ウクライナ人など)3.3%(1989)となっている。マリ人はチェレミス人ともよばれ,フィン語系に属するマリ語(チェレミス語)を話す。…

※「マリ人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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