山川 世界史小辞典 改訂新版 「マーピラ」の解説
マーピラ
Māppiḷḷa
モープラー(Moplah)ともいう。イギリス領インドのマラバール地方(ケーララ州の北部)に住み,マラヤーラム語を話すムスリムを呼ぶ他称。ヒンドゥー教徒の下位カーストからの改宗者が多いとされる。ジェンミと呼ばれるヒンドゥー地主のもとで小作するものが多かった。彼らは19世紀初頭からほぼ1世紀の間,「マーピラ暴動」と呼ばれる一連の治安事件を起こした。この暴動では,少数のマーピラが蜂起してイギリス人収税官やヒンドゥー地主を殺し,警察や軍隊が鎮圧にくるのを待ち受け,戦闘のなかで殉教者として死んだ。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報