モープラーの反乱(読み)もーぷらーのはんらん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モープラーの反乱」の意味・わかりやすい解説

モープラーの反乱
もーぷらーのはんらん

1921年8月から南インド、マラバル地方(現ケララ州内)のムスリムイスラム教徒農民(マラヤラム語でマーッピラmāppila、通称モープラーmoplah)が起こした反封建的、反帝国主義闘争。彼らの多くは少数ヒンドゥー地主のもとで過酷な状態を余儀なくされていたが、その抵抗の歴史も古く、19世紀を通じて、マドラス州政府や地主への闘争を展開していた。1921年の反乱は、第一次世界大戦後、キラーファト運動と結び付けたガンディー指導下の反英非暴力的抵抗闘争の掛け声にこたえて、モープラー農民が自らの反地主的要求を掲げて立ち上がったものである。彼らは地税不払いを叫び、地主の屋敷、政府倉庫、役所を襲撃し、一時は同地の行政を完全に麻痺(まひ)させた。しかし下層ヒンドゥー農民と提携することができず、また国民会議派中央の支援も得られず孤立し、22年2月に軍隊によって鎮圧された。ケララ現代史のうえで初めての反帝・反封建農民闘争として、その歴史的意義は大きい。独立後、1981年にようやく国民会議派中央政府は、この反乱がインドの民族解放闘争の一環であることを公式に承認した。

[内藤雅雄]

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