ミカンキジラミ(読み)みかんきじらみ(英語表記)Diaphorina citri

知恵蔵mini 「ミカンキジラミ」の解説

ミカンキジラミ

カメムシ属キジラミ科に属する昆虫。かんきつ類の樹皮に針状の口を刺し樹液を吸うが、この時にカンキツグリーニング病の病原菌を媒介することから世界的な農業害虫とされている。カンキツグリーニング病に感染した果実は成熟しても小さく、表面に緑色の斑が残り、苦く、数年以内に木を枯死してしまう。2013年8月12日、豊橋技術科学大学などの研究チームが、ミカンキジラミが毒を作る細菌「プロフテラ」を体内に共生させることで、天敵から身を守っていることを突き止め、米専門誌に発表した。寄生相手を外敵から守る機能での安定した共生関係が確認されたのは生物で初めてという。これらの共生関係を壊す薬剤や、プロフテラが作る毒であるディアフォリン[朝日新聞社1] が効かない天敵昆虫を開発すれば、ミカンキジラミを防除できると期待されている。

(2013-8-14)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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