ミズタマカビ
Pilobolus
草食動物の新しい糞(ふん)の上によく発生する接合菌類ケカビ科の菌。糞の上に生えるカビの中で最初に出るもので,2~3cmぐらいにのびる柄の先がしゃもじ形にふくらみ,その先端に黒光りする平たい胞子を入れた袋(胞子囊)ができる。長い柄は光屈性があり,カロチノイド色素をふくむので,無色~黄色となる。胞子が十分に熟すると,光の方に向いた柄の先端から胞子囊が強く2cmほどはじきとばされる。とばされた胞子の集団は葉の表面につき,やがて動物に食べられ,腸内を通り,再び糞として外に出るとされている。
執筆者:椿 啓介
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ミズタマカビ(水玉黴)
ミズタマカビ
Pilobolus
藻菌類接合菌類ケカビ目ミズタマカビ科。一名マグソカビ (馬糞黴) 。7種が知られている。ウマ,ウシ,ヤギなど草食動物の糞で,排出されてから1日以上を経たものに特異な形の胞子嚢柄が現れる。この菌の胞子は経口的に糞塊に混入しており,その中できわめて細い菌糸から成る菌体として成長するが,糞塊の表面近くに球形ないし卵形の栄養細胞を生じ,やがてそこから空気中に胞子嚢柄が伸長する。胞子嚢柄は小さな種で高さ 1mm弱,大きな種で約 7cmに伸び,透明。配偶子嚢接合による有性生殖も知られている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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