ミセヌム(その他表記)Misenum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミセヌム」の意味・わかりやすい解説

ミセヌム
Misenum

ナポリ湾の北の岬に位置する古代ローマの海港都市。その名称は英雄アエネアスの鼓笛手ミセヌスの埋葬地に由来するといわれる。ローマ帝政期までは単に保養別荘地であった。その後オクタウィアヌス (アウグスツス ) ,M.アントニウスとセクスツス・ポンペイウスが,前 39年ミセヌムの協約を結び,M.アグリッパはこの地をローマの主要な軍港とし,都市は植民市 (コロニア ) となった。プリニウス (大)はここに海軍提督として駐在し,ベズビオ火山爆発の救援に行って殉職している。港は 400年頃から使用されなくなり,ついにアラブに破壊された。 G.マリウスの別荘,歴代皇帝の所領の遺跡が残っている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 プリニウス

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android