ミッドランズ(英語表記)Midlands

翻訳|Midlands

改訂新版 世界大百科事典 「ミッドランズ」の意味・わかりやすい解説

ミッドランズ
Midlands

イギリス,イングランド中央部にある地方。ダービーシャー,ノッティンガムシャー,レスターシャー,ノーサンプトンシャー,ウォリックシャー,スタッフォードシャー,ウェスト・ミッドランズの諸州にまたがり,ヘリフォード・ウースター州東部を含む。地形は,セバーン川,トレント川両水系でうるおされる丘陵地帯であり,西部は三畳紀砂岩,東部はジュラ紀石灰岩からなる。年間降水量が750mm前後であるため,中世には三圃式農業の,現在は混合農業の典型的地域であるが,酪農や市場園芸(イーブシャム河谷)もみられる。ミッドランズを特色づけているのはその工業であり,産業革命以来,ダービーシャー,ノッティンガムシャー,スタッフォードシャーの各炭田を背景に,バーミンガムを中心としたブラック・カントリーで鉄鋼業が発展してきた。現在はむしろ機械工業に重点が移り,自動車のコベントリーはじめ,レスター,ダービー,ストーク・オン・トレントなどの工業都市が集中している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のミッドランズの言及

【イングランド】より

…(1)畑作農業地帯 ヨークシャーからイースト・アングリアにいたる年降水量750mm以下の東部乾燥地域では,小麦や大麦,テンサイ,ジャガイモを輪作する大規模な畑作が卓越する。(2)混合農業地帯 中世に二圃式・三圃式の共同耕地制が広範に普及していたミッドランズ地方やウェセックス丘陵などの中部漸移地帯は,現在でも小麦,大麦,エンバク,牧草の栽培と肉牛,豚の飼育による混合農業が盛んである。(3)酪農地帯 年降水量1000mm前後の西部湿潤地域を代表するのが酪農であり,ランカシャー・チェシャー平野,サマセット平野だけではなく,ミッドランズの丘陵部でもみられる。…

※「ミッドランズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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