山川 世界史小辞典 改訂新版 「ミノア文字」の解説
ミノア文字(ミノアもじ)
Minoan script
エヴァンズの発掘で発見されたエーゲ文明の文字で,クレタ王ミノスにちなんで名づけられた。エジプトの聖刻文字(ヒエログリフ)に似た絵文字(前2000~前1660年頃)と,音節文字である線文字A類(前1660~前1450年頃)およびB類(前1450~前1200年頃)の3種類が区別される。前2者は非インド・ヨーロッパ語(セム語?)の文字で未解読であるが,線文字B類はギリシア本土のミケーネ文明にも伴っており,主として粘土板に刻まれている。1953年イギリスのヴェントリスとチャドウィックの共同作業により解読が完成し,ギリシア語の古い形を示していることが知られた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報