ムスピーリ
むすぴーり
Muspilli
9世紀の初め、古高ドイツ語で書かれた作者不明の断片詩。北欧神話のムスペルは火の擬人化と考えられるが、ムスピーリは「世界の破滅」を意味している。頭韻で書かれた103行よりなるこの詩は、世界の破滅と最後の審判を扱っているが、とくに予言者エリアスがサタンと戦ってからくも勝利を収めるが、負った傷から血が地上に滴って燃え上がり、それが世界の破滅をもたらすところは迫力がある。
[谷口幸男]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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