翻訳|alliteration
同じ詩行の二語あるいはそれ以上の語で同音を重ねることをいう。もっとも一般的な形はそれらの語頭の母音、または子音を重ねる場合であり、そこからこの名称が由来している(例―The furrow followed free)。語頭以外にも、語のなかや末尾に重ねる場合もある(例―After life's fitful fever, he sleeps well.)。
頭韻は強勢のある言語で愛用され、古英詩や古ドイツ詩では単に装飾としてではなく、構成的要素として使われてきた。近代になって脚韻が構成的要素としてとってかわるにつれて、頭韻はしだいに装飾と化していったが、それでも詩の音楽的効果の重要な一つにとどまっている。シェークスピアは『恋の骨折損』(題名からして Love's Labour's Lostと頭韻している)で、この技法を意図的にパロディー化した。また韻文詩ばかりでなく自由詩でも、ホイットマン、サンドバーグ、マリアン・ムアなどが活用している。
日本の詩歌は音数律によっているので、早くから頭韻の効果が用いられてきた。枕詞(まくらことば)なども、しばしばその意味よりも音のために活用されている(例―「ひさかたの光のどけき春の日に……」)。短歌では全体にわたる同音の繰り返しがよくみられ、「なれなれて見しはなごりの春ぞともなど白河の花の下かげ」のように「な」音の反芻(はんすう)が効果的である。新体詩以降も、島崎藤村の「小諸なる古城のほとり」や、谷川俊太郎の『ことばあそびうた』の例がある。
[新倉俊一]
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…また中国の絶句の押韻法は,起承転結の4行のうち転を除いた他の3行に同一の脚韻を置くものであるが,このように脚韻は詩型とも密接に関連する。広義の韻にはこのほか,語頭の音韻を合わせる頭韻alliterationや,語の位置を問わず類似音を重ねる半諧音assonanceがあり,これらは日本の詩歌にもいくつかの用例が見られる。
[詩型]
韻律の配置が詩型を決定する要件となる例として,中国には前述の絶句のほかに律詩などがあり,西欧にはテルツァ・リマterza rimaやソネットsonnetやバラードballadeなどがある。…
※「頭韻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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