ムラサキモンパキン(読み)ムラサキモンパキン(その他表記)Helicobasidium mompa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムラサキモンパキン」の意味・わかりやすい解説

ムラサキモンパキン(紫紋羽菌)
ムラサキモンパキン
Helicobasidium mompa

担子菌類キクラゲ目キクラゲ科。土壌生で,クワリンゴなどいろいろの樹木の根,根茎,塊茎などにつき,その表面には太い菌糸が伸び,また針金状の根状菌糸束を生じる。菌糸は宿主の根から次第に上部に広がり,地上部にかけて鞘状に宿主の体を取囲む。地上部では白色を帯びた紫褐色の軟らかい菌糸層となり,いわゆる紋羽状になる。根ぎわ近くに不定形で径3~10cmの白粉におおわれた紫色または褐色の絨毯状の菌体を生じる。この菌体は菌糸が縦に並んでいるが,その間に無色,円柱状で湾曲した担子柄ができる。これは4室になり,各室から小柄を出して鈍頭,狭脚,勾玉状の担子胞子を生じる。この菌は宿主樹木に対し活物寄生をなすもので,根ぎわを完全におかすので,樹木にとっては大害菌である。日本全土,ジャワ,台湾に分布する。

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