ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メルキト派」の意味・わかりやすい解説 メルキト派メルキトはMelchites シリアおよびエジプトのキリスト教の一派。古代教会におけるキリスト論論争に際して,多数派であった単性論 (→キリスト単性説 ) 者にくみせず,カルケドン公会議 (451) で決定された正統信仰を保持した人々で,主として都市部のギリシア化された住民から成り,信仰および政治的立場は東ローマ帝国の皇帝に忠実であった。メルキトの名称は,シリア語の「皇帝の,皇帝派の」を意味する malkayaに由来する。現在のメルキト派系の教会はビザンチン典礼に属するが,帰一教会 (合同東方カトリック教会) とギリシア正教に分れ,それぞれアンチオキア,エルサレム,アレクサンドリアの総大主教区を構成している。今日メルキト派といえば,帰一教会系キリスト教徒をさす場合が多い。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by