メンドサ州(読み)メンドサ(その他表記)Mendoza

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メンドサ州」の意味・わかりやすい解説

メンドサ〔州〕
メンドサ
Mendoza

アルゼンチン中部西寄りの州。州都メンドサ。チリとの国境をなすアンデス山脈の東斜面に位置する州で,大部分がアンデス山地と前山地帯から成り,北西部の国境近くにはアンデスの最高峰アコンカグア山 (6959m) がそびえる。年降水量 500mm以下の乾燥地帯で,東部には砂砂漠や塩原が広がる。融雪水に涵養されたメンドサ,トゥヌヤン,アトゥエルなどの川が斜面を流下して東の州境をなすサラド川に注ぎ,住民はこれらの川の水によって灌漑された河谷,特に州都を中心とした北西部に集中。古くからクヨと呼ばれた地域で,スペイン植民地時代の初期から入植が行われたが,発展は 1884年大西洋岸のブエノスアイレスからの鉄道がメンドサに通じてからである。この鉄道はその後さらに西に延びてアンデスを越え,チリの鉄道網と連絡。タングステン硫黄石炭などの鉱物資源が豊かで,同国の重要な油田地帯も含む。灌漑地帯ではブドウその他の果樹,ジャガイモ,オリーブ,穀物,アルファルファなどが栽培される。牧畜も盛ん。主要工業は食品加工で,特にワインの生産で知られる。ゴドイクルスには石油精製所がある。山間にはビヤビセンシオ (温泉) ,ポトレリヨス (スキー) などの保養地があり,観光業も重要な収入源となっている。面積 14万 8827km2人口 141万 4058 (1991推計) 。

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