メーヌ(読み)めーぬ(その他表記)Maine

翻訳|Maine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メーヌ」の意味・わかりやすい解説

メーヌ
めーぬ
Maine

フランス北西部の歴史的地方名、旧州名。現在のマイエンヌ、サルト両県の大部分を占める。西半分はバー(低)・メーヌとよばれてアルモリカン山地に属し、とくに北部ではノルマンディー地方のボカージュ(農牧地を取り囲む帯状樹林)の景観に類似する。ラバルが中心都市。農牧業が卓越し、ウシ、ブタの牧畜が中心であり、南部やロアール川に沿って農業地帯が広がる。東半分のオー(高)・メーヌはパリ盆地の西縁部に一致し、バー・メーヌと同様に牧畜業が卓越する。東部に向かうにしたがって、小麦、トウモロコシなどの穀物と飼料用作物の栽培がなされる。肥沃(ひよく)でない土地はマツの人工林によって覆われる。中心都市はル・マンであり、オー・メーヌ地方の大部分の範囲をその都市圏の中に包含する。

 10世紀に伯爵領となり、婚姻関係により1126年アンジュー伯領に併合された。1154年アンリ・プランタジュネがヘンリー2世としてイギリス王位についたためイギリス領となり、1481年フランス王国領となった。ルイ14世時代は公領。

[高橋伸夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メーヌ」の意味・わかりやすい解説

メーヌ
Maine

フランス北西部の地方。旧州。中心都市はルマン。メーヌ川が潤す丘陵地帯を占め,牧畜が主産業。9世紀末から世襲伯領となり,12世紀初めアンジュー伯の手に渡り,1154年イングランド王の支配下に入った。 1203年フランス王フィリップ2世がイングランド王ジョン (失地王) から没収し,ルイ9世がこれを王弟アンジュー伯シャルルに与えた。その後バロア家に移り,1481年王領となった。革命以後サルトとマイエンヌの両県を形成した。

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