ル・マン(読み)るまん(英語表記)Le Mans

翻訳|Le Mans

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ル・マン」の意味・わかりやすい解説

ル・マン
るまん
Le Mans

フランス中西部、サルト県の県都。パリ西南西211キロメートルに位置する。人口14万6105(1999)、14万3325(2015センサス)。周辺の農村地帯とは対照的な工業都市で、農業機械、電気機械、自動車、繊維鉄鋼などの工業が盛ん。パリ、ブルターニュノルマンディー、およびロアール川流域地方を結ぶ交通の要衝にあり、19世紀の中葉から鉄道網の発達で人口も急増した。20世紀に入り行政、商業、宗教上の地方中心都市となり、大学をはじめとする文化的機能も充実している。ローマ時代から栄えた古い町で、ジュリアン寺院(12世紀ロマネスク様式の本堂、13世紀ゴシック様式の内陣をもつ)、ノートルダム・ド・ラ・クチュール教会(10~13世紀)、市庁舎と県庁舎(18世紀)、美術館など歴史的建造物が多く、観光都市ともなっている。1923年以来、毎年6月に開催されるフォーミュラ・カーのグランプリ「ル・マン24時間自動車レース」は世界的に知られている。会場となるサルト・ロード・レーシング・サーキットは市街地の南部に位置する。自動車博物館もある。

[高橋伸夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ル・マン」の意味・わかりやすい解説

ルマン
Le Mans

フランス北西部,サルト県の県都。パリの西南約 200km,サルト川と支流ユイヌ川の合流点付近に位置する。ノルマンディーからロアール川沿岸に向かう街道と,ブルターニュとパリを結ぶ街道の交差地点に発達。ローマ時代の城壁に囲まれた旧市街は美しい聖ジュリアン大聖堂 (11~15世紀) を中心に広がる。中世にはメーヌ伯領の首都ノルマンディー公国を経て,1481年フランス領。 1836年には人口1万 8000にすぎなかったが,その後,鉄道建設に伴い工業が著しく発展。電子,電気,自動車,鉄道,農業機械などの諸工業が立地。また農産物,ウシ,ワインの集散も行なわれる。毎年開催される耐久レース「ルマン 24時間」は有名。人口 14万3547(2008)。

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