モネ・プラン(英語表記)Plan Monnet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モネ・プラン」の意味・わかりやすい解説

モネ・プラン
Plan Monnet

第2次世界大戦で疲弊したフランス経済復興のため立案された第1次近代設備計画 (1947~53) の通称。計画立案の中枢機関が近代化計画本部 (特に近代化委員会) であり,その初代長官が J.モネであったところからこの名称がついた。同プランは,経済運営に対する政府の統制を極力排除しながらも,資本主義体制に計画化を導入するというモネの経済哲学の具現であり,いわゆる「混合経済」の初めての試みとして,以後のフランス経済計画のモデルとなった。同計画は,目標年次で 1929年の生産水準を 25%こえること,国際収支均衡回復,生活水準の向上などを目標と定めた。また重点政策としては,(1) 基礎部門への重点的投資,(2) 農業の機械化,(3) 建設業の近代化,(4) 輸出関連部門の生産力強化などが採用された。モネ・プランは基礎部門の復興という目標達成には一応成功したが,反面極度のインフレーションを引起し,均衡のとれた国民経済の発展を阻害した。

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