改訂新版 世界大百科事典 「モンテホ」の意味・わかりやすい解説
モンテホ
Francisco de Montejo
生没年:1479?-1553
中央アメリカのユカタン半島の征服者。スペイン,サラマンカの人。H.コルテスのもとでアステカ征服戦に従軍。しばらく本国でコルテスの利益代表を務めたが,1526年みずから国王とユカタンの征服請負契約を締結,同地のアデランタードの世襲称号を得る。翌年,半島北東隅から侵入を試みて失敗。半島の西の付け根にあたるタバスコ地方を固め,1530年ここから同名の息子(1507-65)とともに侵攻,5年間にわたり戦ったが,マヤ人の抵抗は頑強で再び撤兵。40年小モンテホ指揮下の3度目の攻勢でようやく半島北部を制圧し,42年ここにメリダ市を建設,続くマヤ人の大反攻をもちこたえて植民地統治を確立した。ところが49年,中央アメリカのコンフィネスのアウディエンシアによる業務監査審juicio de residenciaの結果,先の契約で得たすべての権利権能を剝奪される。翌年帰国して宮廷に権利回復を訴えたがむなしく,故郷に引退して没した。
執筆者:高橋 均
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報