ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンマス」の意味・わかりやすい解説
モンマス(公)
モンマス[こう]
Monmouth, James Scott, Duke of
[没]1685.7.15. ロンドン
イングランド王チャールズ2世の庶子。母は清教徒革命で家を荒されてオランダに亡命,この地でチャールズの愛人になったルーシー・ウォールター (1630頃~58) 。 1660年イングランドに渡り,63年公爵に叙せられ,アン・スコットと結婚してその姓を名のった (→バックルー〈公家〉 ) 。 65年イギリス=オランダ戦争 (第2次) に海軍長官であった叔父ヨーク公 (のちのジェームズ2世 ) の部下として海戦に参加。 72~73年ルイ 14世援助のためのイングランド派遣軍司令官に就任。次期王位予定者ヨーク公が旧教徒であったため,初代シャフツベリー (伯)らによって対抗者にかつぎだされ,王位継承排除法案をめぐる論争の一焦点になった。ライ・ハウス事件 (83) に連座して,84年オランダに亡命。 85年ジェームズ2世が即位すると王位継承権を主張し,軍を率いてイングランド南西部に上陸,スコットランドのアーガイル伯 (9代) と呼応して反乱を起したが,セッジムーアの戦いに敗れて捕えられ,処刑された。
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