日本大百科全書(ニッポニカ) 「モーズレイ人格目録」の意味・わかりやすい解説
モーズレイ人格目録
もーずれいじんかくもくろく
Maudsley Personality Inventory
略してMPI。質問紙法の性格検査で、ロンドン大学精神医学研究所教授兼モーズレイ病院心理学部長のアイゼンクH. J. Eysenck(1916―1997)によって1959年に作成された。彼自身のモーズレイ医療用質問紙とJ・P・ギルフォードの検査を基盤とし、彼自身の人格理論に従って外向性―内向性(E尺度)と神経症的傾向(N尺度)各24項目から構成されている。各項目に対し「はい」「?」「いいえ」のいずれかで回答させるもので、16歳以上の者に適用される。1964年にシビル夫人Sibil B. G. Eysenckとともに作成した改訂版はアイゼンク人格目録、略してEPIとよばれる。これはE、N両尺度に12項目の虚偽発見尺度(L尺度)が加えられている。夫人が1965年に児童(7~16歳)用に作成したJEPIの尺度と項目数はEPIと等しい。1975年に夫妻が作成したアイゼンク人格質問紙(EPQ)ではE、N、L尺度に35項目の精神病的傾向尺度(P尺度)が追加された。EPQには7~15歳用と16歳~成人用の二形式がある。日本で標準化された日本版MPIはE、N両尺度各24項目にL尺度20項目と12の中性項目を加えた80項目からなっている。
[肥田野直]
『MPI研究会編『新・性格検査法』(1969・誠信書房)』