多光子イオン化(読み)タコウシイオンカ

化学辞典 第2版 「多光子イオン化」の解説

多光子イオン化
タコウシイオンカ
multiphoton ionization

略称MPI.イオン化エネルギーよりもエネルギーの小さい(波長の長い)複数の光子を吸収させることによって,特定分子あるいは原子のイオン化を起こさせること.たとえば,252.6 nm のレーザー照射によりBr原子の基底状態4p2 P2/3は2光子吸収によって5p2 P3/2励起状態に励起されるが,この状態から3光子目を吸収すると Br にイオン化される.すなわち,3光子の多光子イオン化である.このようにn個の光子で中間体が生じ,最後の1光子でイオン化が起こるとき,n + 1共鳴多光子イオン化過程という.このイオン化法は混在する化合物とかかわりが少なく高選択的なので,反応速度測定などに適している.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む