ヤエクチナシ(その他表記)Gardenia jasminoides Ellis f.ovalifolia (Nakai) Hara

改訂新版 世界大百科事典 「ヤエクチナシ」の意味・わかりやすい解説

ヤエクチナシ
Gardenia jasminoides Ellis f.ovalifolia (Nakai) Hara

アカネ科の常緑低木。クチナシの八重咲品種で,中国や日本(九州地方)で古くから知られている。庭園に栽培されるほか,切花をとる目的で温室栽培も行われている。葉も枝もふつうのクチナシより大ぶりで,花は大輪八重咲きで香りもより強い。ヤエクチナシは19世紀ころヨーロッパに伝えられて,青年恋人に最初に贈る花とされ,コサージ用の切花栽培が行われた。とくにアメリカでは大輪の品種が育成され,切花栽培が盛んであったが,第2次世界大戦後は激減した。日本の露地栽培では,梅雨季から開花する。繁殖は梅雨季に挿木によって行う。寒地では冬季に若干の保護を要する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヤエクチナシの言及

【クチナシ(梔子)】より

…静岡県以西から琉球,台湾,中国中南部,ベトナムに分布する。八重咲き品をヤエクチナシvar.ovalifolia Nakaiとよぶ。近年よく植えられる大輪の八重咲き品はオオヤエクチナシ(イラスト)で,アメリカで改良された。…

※「ヤエクチナシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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