日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマトゴキブリ」の意味・わかりやすい解説
ヤマトゴキブリ
やまとごきぶり / 大和蜚蠊
[学] Periplaneta japonica
昆虫綱ゴキブリ目ゴキブリ科に属する昆虫。全体が栗褐色、中形から大形のゴキブリ。本州に固有の種で、帰化種であるクロゴキブリによく似ているが、光沢はやや鈍り、前胸背板はクロゴキブリより小形、背面に不規則なへこみがみられる。体長は雄で25ミリメートル内外、雌はやや小ぶりで20ミリメートル内外。雄の前翅(ぜんし)は23ミリメートル内外で、腹端を越えて長いが、雌は短翅で、翅端は腹部中央に達する程度。この種は本来樹林中の樹皮下の生活者であるが、雄は飛べるため、夏の夜、灯火に誘われて室内に入り、クロゴキブリと同様に台所などで活動する害虫となる。近年、都市部ではクロゴキブリの勢力に追われ、ヤマトゴキブリの数は減少している。
[山崎柄根]