20世紀西洋人名事典 「ヤーコプワッサーマン」の解説
ヤーコプ ワッサーマン
Jakob Wassermann
1873 - 1934.1
ドイツの作家。
バイエルン州フュルト生まれ。
少年時代はユダヤ人ゆえに人種的迫害を受けた。軍隊生活を経て、ミュンヘンで政治的風刺を売り物としたイラスト誌「ジンプリチシムス」の編集に携わる。1897年ゲットーを舞台とした「ツィルンドルフのユダヤ人」で人間汚辱の極限状況を描いてセンセーションをまきおこした。その後「若いレナーテの生活」(1900年)、「埋もれた青春」という邦題で映画化された「マウリチルス事件」(’28年)、「アンダーガスト」3部作など、女性解放、ユダヤ人問題、文明社会のゆがみを取り上げ、自然主義を脱した独自の新ロマン主義的作品を残した。他の作品に「カスパール・ハウザー」(’08年)、「クリスティアン・ワーンシャッフェ」(’19年)等がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報