コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

大不況 だいふきょうGreat Depression

翻訳|Great Depression

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大不況
だいふきょう
Great Depression

1929年のニューヨーク株式市場の大暴落をきっかけに発生した世界的な恐慌。株価の大暴落が始まった 10月24日が木曜日だったため「暗黒の木曜日」ともいわれ,またこの影響が全世界に及んだので世界恐慌ともいわれる。株価は 6分の1にまで下がり,失業が拡大して生産は落ち込み,銀行も次々に倒産した。1933年のアメリカ合衆国の失業率は 25%に達し,実質国民総生産 GNPは 1929年の 70%程度まで低下した。各国は関税を引き上げてブロック経済化をはかったり,為替を競って切り下げたため,世界貿易は縮小均衡に陥ってしまった。アメリカは 1933年以降ニューディール政策をとり,公共投資の拡大などを通じて復興をはかった。この大不況が一つのきっかけとなって,不況期には政府の需要創出策が必要であるとするケインズ経済学が定着し,世界経済を縮小均衡に陥らせないためには,自由貿易体制を維持する枠組みをつくる必要があることが認識されるようになった。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

百科事典マイペディアの解説

大不況【だいふきょう】

1870年代から1890年代にかけて欧米諸国を襲った経済不況。アメリカ合衆国,ドイツに始まった不況は英国において最も深刻な形をとり,1879年には全面的な過剰生産恐慌に突入し,途中若干の回復期があったものの,1890年ふたたび深刻な不況となり,1896年に至るまで,長期にわたる不況から脱却できなかった。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

だいふきょう【大不況 Great Depression】

1870年代から90年代にかけて欧米諸国を見舞った経済不況。その現れ方,激しさ,始期終期は国によってまちまちだが,1873年から74年にかけて,まず,アメリカ合衆国での金融迫(ひつぱく),鉄道建設衰退ウィーンでの取引所ブームの崩壊,ドイツにおける重工業の不振といった形で顕在化し,ついでイギリスで激しい形をとり,80,90年代にはフランス経済にも深刻な影響を与えた。とくに当時の経済最先進国イギリスでは,1873年から96年にかけて顕著な物価の低落傾向がみられ,それゆえに従来,1873‐96年の時期が一般に大不況の期間とされてきた。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大不況
だいふきょう

(1)1873年の世界恐慌以降、19世紀末までのほぼ4分の1世紀にわたって続いた長期停滞傾向を、マルクス経済学では大不況という。
(2)1929年恐慌(大恐慌)をさす。近代経済学で使われることが多い。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の大不況の言及

【恐慌】より


[帝国主義段階の恐慌の形態変化]
 1873年恐慌にさきだつ好況の主軸は,イギリスの資本輸出,アメリカ,ヨーロッパの鉄道建設,石炭・鉄鋼業の繁栄の関連に移され,その破綻に伴い,ニューヨークやヨーロッパ諸都市には急性的恐慌が生じながら,金融中心地ロンドンは金融恐慌をみることなく不況に転換していく。それに続く1873‐96年は,イギリス産業の過剰な固定資本の処理の困難,生産力の停滞,物価の低落傾向,利子率の低水準などにみられる〈大不況Great Depression〉が支配した時期であり,そのなかに生じた1882年恐慌や1890年恐慌にかけての好転も,微弱で短命なものであった。しかもその間,いわゆる交通革命の影響をうけてアメリカや東欧から安価な穀物が流入し,構造的な農業恐慌が存続した。…

【イギリス】より

…つまりこの時代のイギリスは〈世界の製鉄所,世界の運送業者,世界の造船業者,世界の銀行家,世界の工場,世界の手形交換所,世界の貨物集散地〉であり,世界の貿易はイギリスを基軸として動いていたのである。
[工業覇権の喪失]
 〈ビクトリア朝の繁栄期〉は1873年の恐慌によって終止符が打たれ,それから第1次大戦に至る40年の間に,イギリス経済は〈大不況期〉(1873‐96)と呼ばれる苦難にみちた停滞期を経験し,世界最初の工業国としての卓越した地位を失った。過去の繁栄を支えてきた鉄鋼,石炭,繊維などの〈旧〉産業は,また最も重要な輸出産業であったが,西欧やアメリカにおける後進工業国の台頭によってしだいに輸出市場が縮小し,往年の活力を失った。…

【恐慌】より


[帝国主義段階の恐慌の形態変化]
 1873年恐慌にさきだつ好況の主軸は,イギリスの資本輸出,アメリカ,ヨーロッパの鉄道建設,石炭・鉄鋼業の繁栄の関連に移され,その破綻に伴い,ニューヨークやヨーロッパ諸都市には急性的恐慌が生じながら,金融中心地ロンドンは金融恐慌をみることなく不況に転換していく。それに続く1873‐96年は,イギリス産業の過剰な固定資本の処理の困難,生産力の停滞,物価の低落傾向,利子率の低水準などにみられる〈大不況Great Depression〉が支配した時期であり,そのなかに生じた1882年恐慌や1890年恐慌にかけての好転も,微弱で短命なものであった。しかもその間,いわゆる交通革命の影響をうけてアメリカや東欧から安価な穀物が流入し,構造的な農業恐慌が存続した。…

※「大不況」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大不況の関連キーワードライン・ウェストファーレン石炭シンジケートジョン・アラン・エドワード マルガンM. エルナンデス・マルティネスウドゥン・ジョー ニコラスブリティシュ・スチールオーギー・マーチの冒険イタリア産業復興公社フィスカル・ポリシーブラック・マンデー新ヒューマニズムキンドルバーガースタビスキー事件J. ウビコ・Cジグソーパズルバンビューレン教権ファシズムビクトリア時代U.S.A.夏川 嘉久次自由放任主義

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

大不況の関連情報