ユウコクラン(読み)ユウコクラン(その他表記)Liparis formosana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユウコクラン」の意味・わかりやすい解説

ユウコクラン(幽谷蘭)
ユウコクラン
Liparis formosana

ラン科の多年草で地生ランの1種。九州南部,琉球列島,中国南部,台湾ヒマラヤなど温帯南部に分布し,常緑樹林下に生える。コクランによく似ているが,全体に大型で葉数も多い。葉は長さ5~18cm,幅3~9cmで厚く,表面に光沢がある。花期は6月頃で,コクランよりやや早い。花茎は高さ 20~40cmでひれ状の稜があり,花とともに暗褐紫色唇弁は円頭で,基部の突起円形鈍頭。花被片は大きく,花数も多い。種内変異として知られるシマササバラン L.formosana var.hachijoensis伊豆七島に分布し,唇弁の紫色が薄く,縁に緑色が混り,花もやや小さい。

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世界大百科事典(旧版)内のユウコクランの言及

【スズムシソウ】より

…クモキリソウL.kumokiri F.Maek.(イラスト)やジガバチソウL.krameri Fr.et Sav.(イラスト)は球状の偽茎があり,落葉性,花は小さく,低山の林下にやや普通にみられる。コクランL.nervosa Lindl.やユウコクランL.formosana Reichb.f.は半常緑で,円柱状の偽茎をもち常緑広葉樹林下に生育する。【井上 健】。…

※「ユウコクラン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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