ユダの手紙(読み)ユダのてがみ(その他表記)Letter of Jude

改訂新版 世界大百科事典 「ユダの手紙」の意味・わかりやすい解説

ユダの手紙 (ユダのてがみ)
Letter of Jude

新約聖書中《公同書簡》と呼ばれる手紙の一つ。著者はみずからを〈ヤコブの兄弟ユダ〉と称して(1:1),明らかにイエスの弟ユダであることを意図しているが,これが真正の手紙でないことは大多数の学者が認めている。1人のユダヤ人キリスト者によって1世紀末~2世紀初めに執筆されたものと思われ,当時の異端としてのグノーシス主義を論駁しようとしている。《ペテロの第2の手紙》との思想的類似があり,4世紀末になってようやく正典として認められた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 青野

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android