改訂新版 世界大百科事典 「ユダの手紙」の意味・わかりやすい解説 ユダの手紙 (ユダのてがみ)Letter of Jude 新約聖書中《公同書簡》と呼ばれる手紙の一つ。著者はみずからを〈ヤコブの兄弟ユダ〉と称して(1:1),明らかにイエスの弟ユダであることを意図しているが,これが真正の手紙でないことは大多数の学者が認めている。1人のユダヤ人キリスト者によって1世紀末~2世紀初めに執筆されたものと思われ,当時の異端としてのグノーシス主義を論駁しようとしている。《ペテロの第2の手紙》との思想的類似があり,4世紀末になってようやく正典として認められた。執筆者:青野 太潮 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by