日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユワンシャオ」の意味・わかりやすい解説
ユワンシャオ
ゆわんしゃお / 元宵
糯米(もちごめ)の粉でつくった団子で、中国では元宵節(ユワンシャオチエ)(旧暦正月15日)に、これをつくって食べる風習があるので、この名称がある。湯団(タントワン)ともいわれる。地方により、作り方も多少異なるが、なつめ餡(あん)にサンザシ、クルミなどの乾果を入れた餡や、小豆(あずき)餡にクルミ、黒ゴマなどを入れたものもある。黒ゴマをよくすりつぶし、その中に豚の脂身を煮て刻んだものや、ナツメの皮と種子を除いて柔らかく煮たものなどを混ぜて、いろいろな餡玉をつくり、これを糯米の粉で包む。北方では、丸い餡玉を粉を入れた器に入れ、器を揺り動かして玉全体に白い粉がついたところをざるに入れそっと静かに水をくぐらせ、ふたたび前の器に入れて粉をまぶす。この操作を7~8回繰り返して餡玉をピンポン玉くらいの大きさにする。これを熱湯でゆでて中まで火を通し、ゆで汁とともに小鉢(こばち)に入れ、少量の砂糖をふりかけて供する。あるいは白い団子を揚げてもよいし、地方によっては糯米の粉を水でよくこねて、餡を包んでつくる所もある。
[野村万千代]