日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨコスジフエダイ」の意味・わかりやすい解説
ヨコスジフエダイ
よこすじふえだい / 横条笛鯛
spotstripe snapper
[学] Lutjanus ophuysenii
硬骨魚綱スズキ目フエダイ科に属する海水魚。新潟県から九州北岸・西岸までの日本海沿岸、宮城県から九州南岸までの太平洋沿岸、朝鮮半島南岸、台湾沿岸、南シナ海の中国沿岸に分布する。体はやや延長した楕円(だえん)形。吻(ふん)の上部外郭はほぼ直線で、その傾斜は緩い。吻はやや突出する。前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)後部下縁に小さい鱗(うろこ)がない。側線鱗(そくせんりん)は46~49枚。体は黄褐色で、腹部は灰褐色。体側中央を縦走する1条の暗色縦帯があるが、その中央部にある眼径大の黒斑(こくはん)は生涯消えない。全長約35センチメートル。一本釣り、定置網などで漁獲される。淡紅色の肉で、刺身、塩焼き、煮つけなどで賞味される。紀伊半島各地や宮崎県などでタルミとよばれる。近縁種のタテフエダイは本種と同種とされていたが、前鰓蓋骨の後部下縁に小さい鱗があること、側線鱗が49枚以上であること、体側に生涯黒斑をもたないこと、分布域が異なることなどで別種とされた。
[赤崎正人・尼岡邦夫 2017年9月19日]