ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
ヨハナン・ベン・ザッカイ
Johanan ben Zakkai
[没]80頃
イエスの使徒たちと同時代のユダヤ教のラビ。ヒレルの弟子という説もある。エルサレムで学んだのち,一時ガリラヤで活動したが,再びエルサレムに戻り「神殿の陰で教え」,サドカイ派中心の神殿祭司を批判し,祭司層のなかにパリサイ派の勢力を増大させた。のちのローマ皇帝チツスによるエルサレム神殿の破壊 (70) 以後,ユダヤ民族宗教の保存に活躍。ローマとの戦争においては民族的な熱心党 (ゼーローテース) に反対して平和を主張し,戦闘を避けてローマの軍営に逃げた。ウェスパシアヌス帝の許しを得てヤムニアにユダヤ人子弟のための学院を創設,これはユダヤ文化の中心となった。 (→ヤブネ )
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