日本大百科全書(ニッポニカ) 「ライスター」の意味・わかりやすい解説
ライスター
らいすたー
Karl Leister
(1937― )
ドイツのクラリネット奏者。ベルリン音楽大学でハインリッヒ・ゴイザーHeinrich Geuserに師事し、1957年および62年にミュンヘン国際コンクールで第2位入賞。旧東ベルリンのコーミッシェ・オーパー首席奏者を経て、59年から93年までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者を務めた。室内楽・独奏活動も活発で、団体としても個人としても来日を重ね、サイトウ・キネン・オーケストラに参加するなど、日本での知名度は抜群の管楽器奏者である。著書にベルリン・フィルの25年史をつづった『Berliner Philharmonisches Orchester』(邦訳『ベルリン・フィルとの四半世紀』)がある。多少線の細い感じがあるが、音色の多彩、技巧の卓越と安定、表現力の豊かさを身上とし、ロマン派の作品をもっとも得意とする。
[岩井宏之]
『石井宏監訳『ベルリン・フィルとの四半世紀』(1987・音楽之友社)』