〘名〙 (「しょう」は「上」の漢音)
① 一身にかかわること。みのうえ。しんじょう。
※田氏家集(889‐898頃)上・春日野寺道心「此外更無二身上事一」
※こんてむつすむん地(1610)三「しんしゃうのなげきをしっかい御身にまかせ奉らぬものは、あやうからずといふ事なし」
② 一身に災いのふりかかるさま。一生の一大事。
※滑稽本・岡釣話(1819)「ありやを落したへ、とんだしんしゃうをしたの」
③ 身分。地位。身代。
※寸鉄録(1606)「ちいんのぎりなりとおもひて、かたはなをもちて、そのもののしんしゃうもわれも、はつるをけっこうとをもふつれぞ、これを『非義ノ義』といふなり」
※浄瑠璃・仮名手本忠臣蔵(1748)九「本蔵と由良助様、身上が釣合ぬとな」
④ 生活するための経済状態。暮らし向き。また、財産・資産。しんしょ。身代。
※申楽談儀(1430)神事奉仕の事「神事を本にして、その間の身しゃう助からんための、上下なり」
※洒落本・風俗八色談(1756)一「田作鱠に赤鰯の焼物は、身上(シンシャウ)に相応の祝ひと」
⑤ (「身上にありつく」「身上をかせぐ」などと用い) 生活を安定させたり、財産を得たりするための手段・方法。
※仮名草子・浮世物語(1665頃)三「今は昔、浮世房が止まりける御大名の家中へ身上(シンシャウ)を稼ぐ者あり」
※浮世草子・西鶴織留(1694)二「身上(シンシャウ)爰に極めて一日暮しに年をかさね」
⑥ 給金。芝居者の間に用いられる語。
※南水漫遊拾遺(1820頃)四「楽家通言〈略〉しんしゃう 給金の事」
⑦ 心の中。
※歌謡・粋の懐(1862)六・緒「芸妓(げいしゃ)幇間の腹袋(シンシャウ)を見透すこと、ギヤマンの燗瓶(かんびん)よりも鮮かなるべし」
⑧ 本来のねうち。本領。しんしょ。しんじょう。
※この子(1896)〈樋口一葉〉「成るほど此話しを聞かして下さらぬが旦那様の価値(シンショウ)で」